余剰電力買取制度(2009年)やFIT(2012年)の満了時期(+10年=2019年から)を意識して、太陽光発電パネルの適正処理の検討がされていたようです。概ね以下の 1.~3.の 通り です。ちなみに、FITの買取期間(最長20年)やパネル寿命(30年程度)を踏まえると、廃棄量のピークは2039年頃(環境省調べ)と見込んでいるようです。

リサイクルについて

環境省では、平成27年度(2015年度) に「太陽光発電設備等のリユース・リサイクル・適正処分に関する報告書」及びロードマップをとりまとめてい ます 。さらに、ロードマップに沿った施策の一環として、平成28年度(2016年度)には「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン」の第一版を公表し、平成 30 年度 2 018 年度 には第二版を公表しています。

使用済再生可能エネルギー設備の検討
https://www.env.go.jp/recycle/recycling/renewable/index.html

太陽光発電設備関係の資料「太陽光発電設備等のリユース・リサイクル・適正処分に関する報告書」
http://www.env.go.jp/recycle/recycling/renewable/h2710/h27-02.pdf

「太陽光発電設備等のリユース・リサイクル・適正処分に関する報告書(概要版)」
https://www.env.go.jp/recycle/recycling/renewable/h2810/h28-01.pdf

太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン
https://www.env.go.jp/recycle/recycling/renewable/guideline_1.pdf
https://www.env.go.jp/recycle/ga2.pdf

※なお、経産省や総務省でも同様の議論をしています。

リユースについて

再利用の検討については、最近取りまとめられ、以下のガイドラインが公開されています 。

太陽電池モジュールの適切なリユース促進ガイドラインの策定及び意見募集(パブリックコメント)結果についてhttp://www.env.go.jp/press/109600.html

「太陽電池モジュールの適切なリユース促進ガイドライン」の概要(2021 年5 月)
https://www.env.go.jp/press/files/jp/116543.pdf

「太陽電池モジュールの適切なリユース促進ガイドライン」(2021 年5 月)
http://www.env.go.jp/press/files/jp/116525.pdf

廃棄費用の積立について

太陽光発電設備の廃棄費用の積立ては、最近(2020年6月国会)の「エネルギー供給強靱化法」で義務化が決まりました。ただし、具体的な内容は施行(2022 年7 月期限)までの間の検討事項のようです。

https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/shoene_shinene/shin_energy/taiyoko_haikihiyo_wg/pdf/008_01_00.pdf

ビジネスについて

FIT 後の太陽電池設備について、以下のリサイクルとリユースビジネスが出てきています。

・リサイクルの流れとしてガラス・金属・樹脂の再資源化ビジネス
・リユースの流れとしてパネル等の中古販売ビジネス

上記を踏まえて、より付加価値がつけられるビジネスは、それら再資源化された素材や中古販売で購入した太陽電池モジュール等設備を利用するビジネスモデルと考えられます。モノ(太陽電池設備)ではなく、コト(電力、省エネ等)を提供するビジネスならば、ノウハウ・技術としての目利きにより低コストのリユース品を活用して、コストリーダシップ戦略(基本競争戦略)をターゲットとできます。

その他

ソーラシェアについては、「農地の一時転用」で可能になったようです。

2018 年5 月15 日に農水省から公表された「支柱を立てて営農を継続する太陽光発電設備等についての農地転用許可制度上の取扱いについて」
https://www.maff.go.jp/j/nousin/noukei/totiriyo/attach/pdf/einogata-42.pdf

(全般)再生可能エネルギー発電設備を設置するための農地転用許可
https://www.maff.go.jp/j/nousin/noukei/totiriyo/einogata.html

転用対象が太陽光発電設備の基礎部分というのが、如何にも役所的で面白い!

以上(2021/8/15)