「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気が十分に行われているかどうかを確認するための有効な方法の一つとして、二酸化炭素濃度測定器を用いた測定があります。一方で、測定器の測定精度は測定器に用いられる検知原理等により異なるため、有識者の知見も踏まえながら、測定器を選定する際に最低限要求される仕様等の基準を定めました(経産省等)。

ガイドラインの内容

このガイドラインでは、二酸化炭素濃度測定器の測定精度の観点から、以下の要件を満たした機器であることを推奨しています。

  • 検知原理が光学式を用いたものであること
  • 補正用の機能が測定器に付帯していること

解説と見どころ

電気通信大学の報告にもあるように、安価で粗悪なCO2センサが市場に多く出回っていることを受けての対応と思われます。

新型コロナ対策として「換気の目安としてCO2濃度を利用する」ことが注目され、そのための測定器として、多くのCO2センサが市場にでてきました。本来、大気中CO2濃度を測定するのは容易ではなく、センサは比較的高額(市場価格で数千円程度)になります。

一方で、販売価格が5千円以下のCO2測定器も多く出回っており、ある程度の測定精度を確保したCO2センサを利用するには少し無理があります。安い測定機は簡易型のCO2センサを利用している可能性が高く、これが粗悪なCO2測定機器につながっていると思われます。

なお、ある程度の精度を持つ測定器を用いて、実際に室内のCO2濃度を測定してみると、「8畳くらい部屋で、灯油燃料の暖房機をつかい、1時間くらいWEB会議」をしていると、5000ppmはあっという間に超えてしまいました。可視化すると室内換気を意識し始めます。CO2センサの種類とその特性や、実際のCO2測定の結果については、追って報告していきたいと考えています。

CO2センサの原理等

主なCO2センサの原理の種類には、以下のものがあります。
・非分散赤外線吸収方式(NDIR : Non-Dispersive Infrared absorption spectroscopy)
・「eCO2」方式
その他、最近では、以下の方式が出てきているようです。
光音響分光方式(PAS : Photo Acoustic Spectroscopy)
TDKの新方式(MEMS利用?)

関連URL

以上(2021/11/4)